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日出処の天子 文庫版
山岸 凉子 (1994/03)
白泉社
全7巻
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厩戸王子(聖徳太子)の半生をえがいた、山岸涼子の『日出処の天子』をご紹介。名作と名高い作品です。
表紙の美しさにつられて購入し、あまりの面白さに昨夜一気読みしてしまいました。

この作品について、特に前提知識を持たずに読み出した私は、蘇我毛人(蝦夷)の視点で物語が語られることにまず驚かされました。
そしてなによりも、毛人と厩戸王子が結んでいく関係。
BLだったのですね、これ。

作中常に妖しい美しさを放つ厩戸王子から目が離せません。
この作品では、厩戸王子は超常的な能力を持つ天才としてえがかれています。
瞬間移動をしたり、他人の心を操ったり、人ではないものと交信したり・・・。頭脳もずば抜けて明晰な、まさしくスーパーマンです。
しかし、それ故に母親に愛されない悲しみ。孤独。
その姿が切々と描写される場面では、胸を強くうたれます。

もうひとつ、今作の厩戸王子の大きな特徴は、同性愛者であるということです。
上述の母親との確執が、その要因のひとつであることが作中で示されます。
そして、物語の中核を担う、毛人と厩戸王子のラブロマンスが展開されていきます。
少女漫画らしく、このふたりの仲が非常にもどかしいのですが、次々と歴史的な事件が起こり(この作品はきちんと史実をなぞっています)、その中での毛人と厩戸王子の立場が巧みにえがかれるため、読者を飽きさせません。この点は非常に見事です。

最後のあまりにも救いのない結末には、呆然とせざるを得ませんでした。
女を厭う厩戸王子が、ようやく抱くことのできた妻の姿・・・。
読者を覆うのは、なんという悲しみとむなしさでしょうか。
しかし、このカタルシスのない結末こそがこの作品の質を一段上げていることは、疑いありません。
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